【第六章】化粧品の広告で注意すべきジャンルと表現方法
アフィリエイトの際に気を付けるべき法律や表現について学んできました。中でも商材数の多い「化粧品」に特化し、広告上で関心の高い8つのキーワードについて、広告で言える効能の範囲やNG表現を見ていきましょう。

1.シワ
まずはじめに、主な「許されない表現」 ( 認められない効能効果の例 )について見ていきましょう。シワ関連のクリームはアフィリエイトで扱う商材でも多いので、NG表現をしていないか、セルフチェックできるようになりましょう。
シワに対する効果で言えないこと
化粧品を使用することによって、以下のような効能効果がある旨を標榜することは、化粧品の効能の範囲を逸脱するためNGです。
- 小ジワの原因根本解消。悩みのシワをコラーゲンで撃退!
- 1ミクロンのフィルム上コラーゲンがじわじわ浸透し、お肌にハリを与えシワを伸ばします。
- 30 分後にあなたのお肌からシワが消えてしまうのです(パック類)。
- ×××はコラーゲン 100 %のフィルム上パック法で、コラーゲンだけを集中的に浸透させ、シワの解消をはかる画期的美容法です(パック類)。
- 小ジワ、たるみがきれいに解消されてスベスベの素肌が……(クリーム類)。
- 他のシワ取りクリームなどとは比較にならない素晴らしい効果が期待できます(クリーム類)。
- 小ジワ、たるみの悩みを解消、撃退!(パック類)
- 目じりの小ジワ、額のシワ、笑いジワ……素晴らしい効果で、早くも話題に!(パック類)
- 肌につけるだけ。しっとりとしたシワのない若々しい素肌が再びあなたのものに。シワの解消には 1 日 1 回(パック類)。
- メイクではとてもカバーしきれない小ジワのシェイプアップができ……(クリーム類)。
- 額のシワ、目尻のシワ、笑いジワの気になる方に、こんな悩みを即解消します(パック類)。
- 小ジワを消したいというあなたに(パック類)。

- ×××は、目や腕の下のたるみ、目尻や唇のシワ、そのほか身体全体のシワやストレッチマークを防ぎ、お肌をなめらかにするのに大きな効果を発揮(クリーム類)。
- シワの予防に用いられる×××配合(クリーム類)。
- シワの予防には週 2 ~ 3 回の使用で十分です(パック類)。
- 小ジワを防いで、美しい素肌作りに(化粧水類)。
- 常用することにより小ジワを予防する効果があります(化粧水類)。

洗顔効果の 2 次的、 3 次的効果により、シワが解消されるなどの標榜、および「シワが気になる方」等の標榜で、シワの予防・解消を暗示することはNGです。
- 小ジワの悩みに答えが出た!小ジワの原因である皮膚表面の汚れ(汗、脂、埃、化粧品の残留物など)と、老化していらなくなった角質を除去する。とにかく、つけて伸ばすだけで、小ジワの原因である肌の汚れや角質が浮き出る(洗顔料類)。
- 小ジワでお悩みの方にピッタリ。大好評を受けています(クリーム類)。
- カラスの足跡が気になりだした。こんな方即実行を(クリーム類)。
- 小ジワで悩んでいる多くの方々に×××を試していただき、その良さを分かっていただきました(クリーム類)。

その他にも、シワ関連で気をつけるべきことをまとめました。
- 都庁 HP は 「お肌をふっくらさせる」も NGとしています
- 「シワ」と大きくキャッチを置き、 「乾燥による小ジワを目立たなくする」を注記はNG
- メークアップ効果で「小じわが目立たない」というのは OK ですが、強調しすぎはNG
※「たったひと塗りで目元の小じわを全てカバーします」はNG - 化粧品の効能範囲表が平成23年に改正され、「乾燥による小ジワを目立たなくする」が言えるようになりました。(一定のエビデンスが必要、加齢によるシワはNG)

シワ関連の表現方法について
シワに関する表現で、言える範囲のボーダーラインと、NG表現と言い換え表現をまとめました。
OK | NG |
「シワのケアに」 「気になる目尻に」 「首すじ、目元など肌年齢が気になり始めた方に」 「笑い顔が気になる方に」 |
「使い続けるうちに溝が浅くなってきた」⇒使い続けるうちに笑顔に自信が持てるようになってきた 「笑いジワが出やすい方へ」⇒笑い顔を見られたくない方へ 「小鼻から口横のシワが目立ってきた方へ」⇒小鼻から口横が気になる方へ 「ファンデーションが溝にたまりやすい方へ」⇒ファンデーションがたまりやすい方へ |

2.若返り・抗酸化
若返り・抗酸化に対する効果で言えないこと
化粧品を使用することによって、以下のような効能効果がある旨を標榜することは、化粧品の効能の範囲を逸脱するためNGです。
- 若返ります。あなたの素肌(パック類)。
- あきらめないで下さい。若さは再び戻ります!(パック類)
- いま×××で大人気!!コラーゲンパック法であなたも 10 歳は若返って下さい(パック類)。
- あまりの若返りに驚きの声「×××のお陰で 35 歳の私が 20 歳の若さに逆戻りしました」(パック類)
- 夢の若返りクリーム(クリーム類)
- 若々しい素肌があなたのものに(クリーム類)。
- 若々しい素肌がよみがえる(パック類)。

- お肌の若さを保つには×××が大切です(クリーム類)。
- お肌の若さを保つには×××が重要な働きを果たしているわけです(クリーム類)。
- ×××の生成量は 22 ~ 25 歳頃から急速に低下、これを補ってやれば、お肌の老化は防げます(クリーム類)。
- さあ、あなたも×××でお肌の老化防止をはかって下さい(クリーム類)。
- 小ジワはコラーゲンの減少によって起ってきます。×××はコラーゲンをたっぷり配合、その働きを助ける×××などを配合し、お肌の老化を和らげる、小ジワにやさしいクリームです(クリーム類)。
- お肌の老化やトラブルで悩む女性に(洗顔料類)

若返り・抗酸化関連の表現方法について
アンチエイジング(≒抗年齢肌)という直接的な表現はNGですが、見た目やケア関連の表現であればOKです。
OK | NG |
「 エイジングケア 」 「 年齢不詳軍団になりたいと思います」 「 見た目年齢が10歳若返ります 」 エイジングサインが気になる肌に×× エイジフリーなあなたへ エイジングサインに立ち向かう×× ※立ち向かうはアンチにちかいのでギリギリOK |
「アンチエイジング」⇒エイジングケア 「肌年齢が10歳若返ります」⇒見た目年齢 「お肌の若さを保つ」 「日やけによる肌の酸化を防止」 「 お肌の酸化を防ぐ 」 「 肌のサビを取り除く」 「肌の奥のサビを取り除く」 「フリーラジカル化粧品」 「抗酸化成分」⇒SOD成分(スーパーオキシドディスムターゼで抗酸化の意味)、還元成分等 ※活性酸素の抗酸化も単なる酸化もNG |

3. 痩身・小顔
痩身・小顔に対する効果で言えないこと
化粧品を使用することによる、発汗効果、顔の筋肉の収縮効果、顔痩せ効果等は、化粧品の効能の範囲を逸脱するので認められていません。
- スッキリ~お顔のぜい肉スッキリシェイプアップ(クリーム類)
- もう気にさせません、お肉のつきすぎたホッペや二重アゴ
- お顔に塗って 5 分間待つだけ、キリリと引き締まった細おもて美人の誕生
- お肌のたるみを縦、横、斜めからグイグイ引き締め、シワを隠し、ハリのある若々しい素肌が……
- お顔がホッソリ!顔が小さくなりました

痩身・小顔の表現方法について
引き締めるやスリミングなど直接的な表現はNGなので注意しましょう。
OK | NG |
「シャープなあなたへ」 | 「スリミングローション」⇒「シャープなあなたへ」 「スリミング」 「ファーミング」 「セルライト」 |
4.アロマ効果
他の化粧品と同じように、アロマに関しても、 治療や回復を意味する「 アロマセラピー用化粧品」「ダメージ回復」「肌の疲れを回復」といった表現はNGです。
「いやし」や「ヒーリング」はセラピーより抽象的な意味なので、「アロマヒーリング用化粧品」や「アロマ化粧品であなたを癒す」といった表現もOKです。

5.ピーリング
「 ピーリング」という言葉自体は OK ですが、 「しみ」と結び付ることはできません。
また、薬剤の作用になる「ケミカルピーリング」というワードはNGです。
OK:古い角質をピーリング除去できます。(物理的な意味合い)
NG:ピーリングによりしみを取り除く。or ケミカルピーリングを体験してください。
6.天然
成分に関する表現をする際に、 「天然だから副作用がない」というロジックは安全性の保証となり適正広告基準の違反となるので気を付けましょう。たとえば、「私たちが天然にこだわるワケ」と表現をした際、「こだわるワケ」が「安全だから」に繋がるのはNGです。単に成分が天然ということに触れる分には問題ありません。
OK | NG |
「天然成分配合」 「天然ゲル配合」 |
「100 %ピュア化粧品」 「100 %天然」 |

7.美白
美白の表現は、「一般化粧品」か「薬用化粧品」と区分によって異なります。
一般化粧品⇒メイク効果で白く見せるという趣旨であればOK
薬用化粧品⇒「美白」「ホワイトニング」というワードは使えますが、その後に 「メラニンの生成を抑え、日焼けによるしみ、そばかすを防ぐ」というフォロー文が必要です。
(注でもOK)。「日焼けによる」をカットして承認を得ているのであれば、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ」でOKです。
(例) ホワイトマスク(薬用化粧品)の表現
「美白美容液をリッチにしみ込ませたマスクのラップ効果で肌のすみずみまで美白※成分を届けて集中ケア。
※メラニンの生成を抑え、日焼けによるしみ、そばかすを防ぐ」
⇒美白というワードを使う際は注釈が必要です
⇒薬用化粧品であれば、美白が自由自在に言えると言うわけではありません
8.傷んだ髪
ヘアケアに関する商材も多いので、OKな表現とNGな表現をおさえておきましょう。
OKな表現 | NGな表現 |
[1] 傷んだ髪に、傷んだ髪用 [2] ダメージヘアケア(潤い補給) [3] リペア [4] 補修 |
[1] ダメージヘアも元通り(損傷回復) [2] 傷んだ髪の回復を助けるシャンプーです [3] 髪質改善シャンプー |

第六章のまとめ
それでは、第六章で学んだことをまとめます。
- 化粧品の効果効能で物理的な変化を述べることは NG
- シワの解決として言えるのは「目立たなくする」だけで「解消」や「予防」は言えない
- 「ケア」「気になる」「見た目年齢」など間接的な表現にするのがポイント
- 「若返り」という表現自体が NG なので、「若返る」とか「若さは戻ります」もNG
- 「アロマテラピー化粧品」はNGだがアロマ自体が不可というわけではないので、「アロマ効果も期待できます」「天然アロマ成分××」など、効果や成分に関する言及ならOK
- 「ピーリング」という言葉自体は OK でも、 「しみ」と結び付るのはNG
- 成分に関する表現をする際に、 「天然だから副作用がない」というロジックは安全性の保証となり適正広告基準の違反となるので注意
- 美白の表現は、「一般化粧品」か「薬用化粧品」と区分によって異なる
- 薬用化粧品であれば「美白」「ホワイトニング」というワードが使えるが、その後に 「メラニンの生成を抑え、日焼けによるしみ、そばかすを防ぐ」というフォロー文が必要
- ヘアケア系の商品で 傷んだ髪の毛が回復するかのような表現はNG