【第四章】化粧品の区分とPRに関する3つのルール「効能範囲表」「若干の個別ルール」「医薬品等適正広告基準」
アフィリエイトで扱うことの多い「化粧品」について、気をつけるべきルールを学んでいきましょう。「薬用化粧品」は医薬部外品として認められている化粧品を、「一般化粧品」は薬用化粧品以外の化粧品のことを指し、両者を含めて化粧品と呼びます。
【化粧品の区分】

1.化粧品と医薬部外品の違いは?
まずはじめに、アフィリエイトで頻出する化粧品と医薬部外品の違いを押さえておきましょう!
化粧品(一般化粧品)と医薬部外品の違い

化粧品→ この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることもあわせて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
医薬部外品→ この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であって人体に対する作用が緩和なものをいう。
1. 次のイからハまでに揚げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物を除く。)であって機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
2. 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項前項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物を除く。)であって機械器具等でないもの
3. 前項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物(前2号に揚げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの
2.効能範囲表
効能範囲表によって化粧品や医薬部外品など区分が違うと、PRで表現できる幅も変わってくるのでしっかり押さえておきましょう。それでは、 「一般化粧品」「医薬部外品」「薬用化粧品」の効能範囲を見ていきます。
一般化粧品の効能の範囲
化粧品の基本的な効能の範囲は、以下の表(効能範囲表)のように定められています。
ここにある言葉をそっくりそのまま使わなければいけないわけではなく、この範囲表を超えない言い換えは可能ですが、超える言い換えは不可ということを示しています。いかにして範囲表を超えない言い換えを表現するかアフィリエイターのテクニックが重要となります(詳しくは、2.効能範囲表をプロモーションに活かす方法)。
【化粧品の効能の範囲】
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(注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でもOK
(注2)「皮膚」と「肌」の使い分けはOK
(注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
*56は平成23年に追加されたもの。
化粧品は機能的な表現(例:シミが消える)は原則として言えませんが、 この表で認められている機能的な表現(例:日焼けによるシミの予防)は言えますし(但し、UV化粧品)、この表で認められている機能的な表現と同等の表現も言えます。(例:「肌を柔らげる」は認められているので「肌に弾力を持てる」もOK)

医薬部外品の効能の範囲
薬用化粧品は医薬部外品の一種です。アフィリエイターが注目すべき医薬部外品の種類に「※」を付けています。
※医薬部外品は現在下記以外にもありますが、これが中核です
【医薬部外品の効能・効果の範囲】
医薬部外品の種類 | 使用目的の範囲と原則的な剤型 | 効能又は効果の範囲 | |
使用目的 | 主な剤型 | 効能又は効果 | |
※1.口中清涼剤 | 吐き気その他の不快感の防止を目的とする内服剤である。 | 丸剤。板状の剤型、トローチ剤、液剤。 | 溜飲、悪心・嘔吐、乗物酔い、二日酔い、宿酔、口臭、胸つかえ、気分不快、暑気あたり。 |
※2.腋臭防止剤 | 体臭の防止を目的とする外用剤である。 | 液剤、軟膏剤、エアゾール剤、散剤、チック様のもの。 | わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗。 |
※3.てんか粉類 | あせも、ただれ等の防止を目的とする外用剤である。 | 外用散布剤。 | あせも、おしめ(おむつ)かぶれ、ただれ、股ずれ、かみそりまけ。 |
※4.育毛剤(養毛剤) | 脱毛の防止及び育毛を目的とする外用剤である。 | 液状、エアゾール剤。 | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促毛、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。 |
※5.除毛剤 | 除毛を目的とする外用剤である。 | 軟膏剤、エアゾール剤。 | 除毛。 |
※6.染毛剤(脱色剤、脱染剤) | 毛髪の染色、脱色又は脱染を目的とする外用剤である。毛髪を単に物理的に染毛するものは医薬部外品には該当しない。 | 粉末状、打型状、液状、クリーム状の剤型、エアゾール剤。 | 染毛、脱色、脱染。 |
※7.パーマネント・ウェーブ用剤 | 毛髪のウェーブ等を目的とする外用剤である。 | 液状、ねり状、クリーム状、粉末状、打型状の剤型、エアゾール剤。 | 毛髪にウェーブをもたせ、保つ。くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ。 |
8.衛生綿類 | 衛生上の用に供されることが目的とされている綿類(紙綿類を含む)である。 | 綿類、ガーゼ。 | 生理処理用品については生理処理用、清浄用綿類については、乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭又は授乳時の乳首・乳房の清浄・清拭、目、局部、肛門の清浄・清拭。 |
9.浴用剤 | 原則としてその使用法が浴槽中に投入して用いられる外用剤である(浴用石けんは浴用剤には該当しない)。 | 散剤、顆粒剤、錠剤、軟カプセル剤、液剤。 | あせも、荒れ性、うちみ、肩のこり、くじき、神経痛、湿疹、しもやけ、痔、冷え症、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え症、にきび。 |
※10.薬用化粧品 (薬用石けんを含む) |
化粧品としての使用目的を合わせて有する化粧品類似の剤型の外用剤である。 | 液状、クリーム状、ゼリー状の剤型、固型、エアゾール剤。 | (下記、表[3]参照) |
※11.薬用歯みがき類 | 化粧品としての使用目的を有する通常の歯みがきと類似の剤型の外用剤である。 | ペースト状、液状、粉末状の剤型、固型、潤製。 | 歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉(齦)炎の予防。歯石の沈着を防ぐ。むし歯を防ぐ。むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止、タバコのやに除去。 |
12.忌避剤 | はえ、蚊、のみ等の忌避を目的とする外用剤である。 | 液状、チック様、クリーム状の剤型。エアゾール剤。 | 蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ)等の忌避。 |
13.殺虫剤 | はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止の目的を有するものである。 | マット、線香、粉剤、液剤、エアゾール剤、ペースト状の剤型。 | 殺虫。 はえ、蚊、のみ等の衛生害虫の駆除又は防止。 |
14.殺そ剤 | ねずみの駆除又は防止の目的を有するものである。 | 殺そ。 ねずみの駆除、殺滅又は防止。 |
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15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤 | ソフトコンタクトレンズの消毒を目的とするものである。 | ソフトコンタクトレンズの消毒。 |

【薬用化粧品(薬用石けんを含む)の効能又は効果の範囲】
種類 | 効能・効果 |
1.シャンプー | ふけ・かゆみを防ぐ。 毛髪・頭皮の汚臭を防ぐ。 毛髪・頭皮を清浄にする。 毛髪・頭皮を健やかに保つ。━━┓ 毛髪・頭皮をしなやかにする。 ━┻━二者択一 |
2.リンス | ふけ・かゆみを防ぐ。 毛髪・頭皮の汚臭を防ぐ。 毛髪の水分・脂肪を補い保つ。 裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。 毛髪・頭皮を健やかに保つ。━━┓ 毛髪・頭皮をしなやかにする。 ━┻━二者択一 |
3.化粧水 | 肌荒れ。荒れ性。 あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。 油性肌。 剃刀まけを防ぐ。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 日やけ・雪やけ後のほてり。 *平成20年4月1日以降申請のものは「日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ」 肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。 皮膚を健やかに保つ。皮膚に潤いを与える。 |
4.クリーム、乳液、 ハンドクリーム、化粧用油 |
肌荒れ。荒れ性。 あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。 油性肌。 剃刀まけを防ぐ。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 日やけ・雪やけ後のほてり。 *同上 肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。 皮膚を健やかに保つ。皮膚に潤いを与える。 皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。 |
5.ひげそり用剤 | 剃刀まけを防ぐ。 皮膚を保護し、ひげを剃りやすくする。 |
6.日やけ止め剤 | 日やけ・雪やけによる肌荒れを防ぐ。 日やけ・雪やけを防ぐ。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 皮膚を保護する。 |
7.パック | 肌荒れ。荒れ性。 にきびを防ぐ。 油性肌。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 日やけ・雪やけ後のほてり。 *同上 肌をなめらかにする。 皮膚を清浄にする。 |
8.薬用石けん(洗顔料を含む) | 〈殺菌剤主剤のもの〉 皮膚の清浄・殺菌・消毒。 体臭・汚臭及びにきびを防ぐ。 〈消炎剤主剤のもの〉 皮膚の清浄、にきび、剃刀まけ及び肌荒れを防ぐ。 |
(注1)作用機序によっては「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」も認められます
(注2)上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標榜するものは、医薬部外品としては認められません

薬用化粧品と一般化粧品の範囲はほとんど重なっているため、薬用化粧品独自のものとしては次のようなものくらいです。
[1] 「にきびを防ぐ」が「化粧水」「クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油」「パック」に認められる。
[2] 「皮膚の殺菌・消毒」が「薬用石けん」に認められる。
[3] 「体臭を防ぐ」が「薬用石けん」に認められる。
3.効能範囲表をプロモーションに活かす方法
効能範囲表は、商品開発やプロモーション戦略を考える際の判断基準です。企業にとって、効能範囲表は「一般化粧品」「薬用化粧品」のどちらで開発を進めるかの判断材料になりますし、アフィリエイターは、効能範囲表に気を付けつつ、商品の魅力を最大限に伝える表現を考える必要があります。
いくつか例を見ていきましょう。

Q.ニキビ対策というコンセプトで美容クリームをプロモーションしようと考えました。これは可能でしょうか?
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一般化粧品の効能範囲表で「ニキビ」が出てくるのは、1 箇所( 18 )だけで、「(清浄により)にきび、あせもを防ぐ(洗顔料)」とあります。美容クリームは洗顔料とは言えないので、一般化粧品としては難しいです。
薬用化粧品は 「クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油」の欄に「あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ」とありますので美容クリームという点は問題ありません。後は、「ニキビ対策」の意味が「にきびを防ぐ」を超えないかどうかです。対策の中には「予防」も含まれるのでこれは OK です。
ただし、 「ニキビ解消」だと「ニキビを防ぐ」を完全に超えるので薬用化粧品でも無理です。
Q.口臭を防止するマウスウォッシュ(液体)を一般化粧品として商品開発しようと考えました。これは可能でしょうか?
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一般化粧品の効能範囲表を見ると( 53 )に「口臭を防ぐ」がありますが、(歯みがき類)と限定があります。しかし( 50 )のように「使用時にブラッシングを行う」という限定はありません。したがって、 液体のようにブラッシングを行わないものも一般化粧品として大丈夫そうだと分かります。
※ 尚、「歯みがき類の表示に関する公正競争規約」は「液体歯みがき、洗口液」も含んでいます。つまり、液体のマウスウォッシュも「歯みがき類」と言えます。
Q.アメリカによく見られるような歯を白くするクリームを一般化粧品として商品開発しようと考えました。これは可能でしょうか?
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A.一般化粧品の効能範囲表を見ると、( 50 )に「歯を白くする」がありますが、(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)と限定があるので、歯に塗るクリームではこれに該当しません。
他方、 医薬部外品の効能範囲表を見ると「 11 .薬用歯みがき類」の効能には「歯を白くする」があり、かつ、「主な剤型」には「ペースト状」とありますので、医薬部外品ならいけそうだということがわかります。
Q.一般化粧品のスプレーについて「体臭を臭わせない」と PR しようと考えました。これは可能でしょうか?
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A.一般化粧品の効能範囲表を見ると、体の臭い系は、( 38 )に「芳香を与える」があるだけです。ですから、 「体臭を臭わせない」という意味が、体臭をなくすのではなく、いい香りでカバーするというニュアンスであれば一般化粧品でOKです。しかし、体臭自体を消すということになると医薬部外品「2.腋臭防止剤」に該当しますので医薬部外品でないと無理ということになります。
Q.一般化粧品としてムダ毛用クリームを開発し「顔のムダ毛とりクリーム」というコンセプトで PR しようと考えています。これは可能でしょうか?
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A.医薬部外品の「5.除毛剤」があり剤型として「軟膏剤」も認められていますので医薬部外品なら行けそうです。他方、一般化粧品は直接関連しそうなものがありません。せいぜい、 ( 32 )の「肌を滑らかにする」や( 34 )の「ひげ剃り後の肌を整える」に絡めて「ムダ毛処理後のお肌のケアに」ぐらいしか言えません。
Q.一般化粧品としてのヘアートニックを PR するに当たり育毛を限りなく意識して普通のヘアートニックとは差別化を図ろうと考え「育毛の環境を整える」というコンセプトで PR しようと考えています。これは可能でしょうか?
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A.育毛関係の基本的区分けは、医薬品なら「発毛」(今のところ「リアップ」のみ)、医薬部外品なら「育毛」「養毛」「発毛促進」と言え、一般化粧品は何も言えない、ということになっています。
但し、一般化粧品(ヘアートニック)も( 1 )で「頭皮、毛髪を清浄にする」は言えます。そこで 「頭皮をしっかり清浄することが育毛の第一歩」というような PR は可能性があります。

4.若干の個別ルール
化粧品の PR 表現でよく問題となるものに関する厚生労働省の考え方を知るのに「医薬品・化粧品等の広告の実際」(じほう社.2006 )という本が参考になります。
その中から、重要なものを取り上げます。(以下は「広告の実際」のページ数)。
1. 美白・ホワイトニング( P.60.138 )
1) 薬用化粧品の場合
[1] 「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という表現は OK 。
[2] 「美白」ないし「ホワイトニング」とキャッチを打ち「メラニンの生成を抑え、日焼けによるしみ・そばかすを防ぐ」という注を付けるのも OK 。
[3] 肌自体が白くなるような表現は不可。
2) 一般化粧品の場合
メーキャップ効果により肌を白くみせる旨の表現は OK 。
<<例>>美白ファンデーション
2. 肌の疲れ( P . 60 )
疲労回復的な表現はNG。よって「疲れた肌に」といった表現をすることはできません。
3. シミ( P . 61 )
一般化粧品であれ薬用化粧品であれ、 しみについては「日焼けによるシミ、ソバカスを防ぐ」という効能効果しか認められていません。「日焼けによる」を省いてはダメで「シミを防ぐ」と同じくらいの大きさで書かなければいけません。
※薬用化粧品では、メラニンの生成を抑えることが薬用化粧品の許可の際に認められていれば、「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という表現も可能です。
4. お肌の弱い方・低刺激性
[1] 「お肌の弱い方」は不可( P . 80 )(「アレルギー性肌の方」も不可( P . 81 ))。[2] 「低刺激性」「刺激が少ない」はキャッチフレーズに使わなければ可( P . 67 )。
「刺激がない」は不可( P . 86 )。
[3] 「敏感肌の方」も可 。
5. 「奥まで浸透 」といった表現( P . 68 )
角質層へ浸透する表現は OK ですが、それ以上の浸透表現はNGです。
肌は、まず表皮があり、その下に角質層があり、その下に真皮層があります。
6 . 「アンチエイジング」は不可( P . 73 )
※粧工連の広告ルールは「エイジングケア」はOKとしています。
これは、「年齢に応じたお手入れ」という意味なので、「エイジングケア成分」のような使い方は認められません。
5.医薬品等適正広告基準
化粧品広告の法規制という観点では、適正広告基準(厚労省)も外せません。
適正広告基準は、 (a) 効能効果の範囲に関するものと、 (b) そうでないものに大きく二分することができますが、 (b) は不正確の禁止ないし褒め上げの禁止を求めています。

[1] 製造方法の誉め上げの禁止([基準 2 ])
《例》 画期的な特殊製法によって…
[2] 成分の誉め上げの禁止([基準 3(3) ])
NGの項目 | 事例 |
成分の褒め上げ | 《例》 フランスの有名な成分を使用 |
「各種…」「数種…」 | 《例》 各種ビタミンを配合 ただし、配合成分を全部列挙する記載が伴っていればOK |
指定成分、香料を含有していないことの強調 | 《例》 100 %無添加、 100 %ピュア ただし、 説明的に何を含んでいないのかを示すのはOK (例えば、「色素、香料、防腐剤、乳化剤は使用していません」) |
ある成分が配合されていることを強調したいときは配合目的を併記する必要がある | 《例》 アロエエキス配合の化粧水⇒NG(目的が示されていません) アロエエキス(保湿剤)配合⇒OK 肌に潤いを与えるアロエエキス配合⇒OK 植物成分配合の化粧水⇒OK(「植物成分」は特定成分ではない) |
アルファベットのみの成分表示 | MGL 配合⇒NG AHA ( アルファハイドロキシ酸 ) 配合⇒OK |
[3] 承認されていない用法の訴求の禁止([基準 3(4) ])
《例》 この薬用ヘアトニックはリンス代わりにも使えます
※ 薬用ヘアトニックは製品の製造について承認をとる医薬部外品です。 ヘアトニックとして取得される承認なので、異なる用法をうたうことはできません。
[4] 効能効果・安全性の誉め上げの禁止([基準 3(5) ])
(1)安全性
《例》 自信を持ってお勧めします、トラブルもありません、安心して使えます、とても安全(安心、安全は禁句!)、総合美容液
- 刺激⇒刺激がない、低刺激性の強調は不可です。説明的に刺激が少ないとか低いとかいうのはOKです。
- アレルギーテスト⇒単に「アレルギーテスト済み」というのはNGです。 「アレルギーテスト済み(全ての方にアレルギーが起こらないということではありません)」はOKです。
(2)効能効果
1) ビフォーアフターは保証禁止に該当するとされNGとされていましたが、2017年9月の医薬品等適正広告基準の改定の際、解説が変わりました。
「使用前、後に関わらず図面、写真等による表現については、承認等外の効能効果等を想起させるもの、効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの又は安全性の保証表現となるものは認められない。」

2)2018年7月、「8・8事務連絡*」で新たに「予防」のビフォーアフターが禁止されました。
Q: 医薬品等適正広告基準の改正に伴い、承認等外の効能効果等を想起させるもの及び安全性の保証表現となるもの等を除き、医薬品等の広告において使用前・後の写真等の使用が可能となった。今後、これらを使用した広告の増加が見込まれることから、以下の具体的事例に関する適否についてその判断を示されたい。
- 化粧品の染毛料、医薬部外品の染毛剤の広告において、使用前・後の写真を用い、色の対比を行っている場合。⇒ 原則、差し支えない
- 洗浄料(化粧品的医薬部外品(以下、薬用化粧品という。)等)の広告において、肌が汚れた状態の写真と洗浄後の肌の写真などを使用する場合。⇒ 原則、差し支えない
- 化粧水、クリーム等(薬用化粧品等)の広告において、乾燥した角層と、保湿後の角層の図面などを使用する場合。⇒ 原則、差し支えない。
- シャンプー(化粧品)の広告において、フケがある頭皮写真とシャンプー使用後の頭皮写真などを使用する場合。⇒ 原則、差し支えない。
- 「制汗」という効果効能の表示が認められた腋臭防止剤の広告において、無塗布の腋と腋臭防止剤を使用した腋の写真を使用する場合。⇒ 原則、差し支えない。
- 「メラニンの生成を抑え、シミ、ソバカスを防ぐ」という効能表示が認められた薬用化粧品の広告において、シミ・ソバカスのない肌と、製品使用後に紫外線暴露してもシミ・ソバカスが目立たない肌の写真を使用する場合。⇒認められない。(「防ぐ」との効能効果を使用前・後の写真等で表現することは不可能なため。)
- 「ひび・あかぎれを防ぐ」という効能表示が認められた薬用化粧品の広告において、ひび・あかぎれのない肌、製品使用後もひび・あかぎれのない肌及び無塗布でひび・あかぎれした肌の写真を使用する場合。⇒認められない。(「防ぐ」との効能効果を使用前・後の写真等で表現することは不可能なため。)
※ 他に、体験談・特許の表示・臨床データ・ 医師等専門家による推薦も医薬品等適正広告基準は禁止しています。
※ 2008年に、日本化粧品工業連合会より化粧品等の適正広告ガイドラインが出されました。これは業界団体の自主基準ですが、以上の適正広告基準を化粧品に限定して更新する内容となっています。

(2)「スリミング」「ファーミング」「セルライト」はNG
(3)「クスミを取る」は、 汚れを落とす旨が注記されていればOK
[5]権威コンテンツの禁止
化粧品等の広告に関する事例については、医薬品等適正広告基準第4の10の医薬関係者等の推せんに抵触するため、「大学との共同研究」との記載はNGです。
また、「大学との共同研究」と記載することにより広告全体として効能効果が逸脱する場合は、医薬品等適正広告基準第4の3(1)or3(2)に抵触します。

第四章のまとめ
それでは、第四章で学んだことをまとめます。
- 化粧品は薬機法を遵守しなければ薬機法違反となる
- 「薬用化粧品」は医薬部外品として認められている化粧品を、「一般化粧品」は薬用化粧品以外の化粧品のことを指し、両者を含めて化粧品と呼ぶ
- 効能範囲表によって化粧品や医薬部外品など区分が異なり、広告で表現できる幅も変わる
- 薬用化粧品で謳える効能は、 原則として薬用化粧品の効能範囲表で決まるが、承認を得ればそれ以外の効能も謳える
- 化粧品広告の法規制という観点では、適正広告基準をおさえておくべき
- 適正広告基準では、効能効果の範囲に関するものと不正確の禁止ないし褒め上げの禁止を定めている
- [1] 効能の範囲を逸脱しない[2] 効能発現時間を強調しない[3] 効果持続時間を強調しないことを充たせば、ビフォーアフターの提示がOK
- 体験談・特許の表示・臨床データ・ 医師等専門家による推薦も医薬品等適正広告基準では禁止されている