改定【第一章】アフィリエイトで注意すべき3つの法律

【序章】はじめに:アフィリエイターが薬機法を学ぶべき理由

アフィリエイターであれば、だれもが一度は「薬機法」という言葉を聞いたことがあるでしょう。ただ、薬機法というと、「ややこしそう」「ルールが多くて複雑そう」といったイメージをお持ちの方は少なくないはず。

 

アフィリエイトをするのであれば、薬機法をマスターしておく必要があります。なぜなら、アフィリエイトで扱う商品が「医薬品」と誤解を与える(=そのような表現をする)と、法律違反になってしまうからです。

 

第一章でも説明をしていきますが、たとえばサプリメントなどの健康食品と医薬品では、できる表現が異なり、線引きとなる法律が「薬機法」です。

 

医薬品とサプリメントなどのヘルスケアビジネスの境界線が近づきつつある一方、薬機法への認識が甘かったことが原因で、課徴金や訴訟に発展するケースもあります。何かあった時に「知らなかった」ではすまされません!

 

アフィリエイターには、広告主の案件LPを見てアフィリエイトの商材を選んだり、自分の記事は大丈夫か出稿前に確認する技術が求められています。取り扱う案件でトラブルが起きないよう、薬機法や広告表現で気を付けるべきことをマスターしましょう。

薬機法を遵守するだけでなく、「売れる」広告を作るためにも、薬機法を抑えた上でより魅力的な記事を作っていきましょう!

 

 

【第一章】アフィリエイトで注意すべき3つの法律

アフィリエイトをする際に気を付けるべき3つの法律「薬機法」「健康増進法」「景品表示法」について説明をしていきます。まずは、アフィリエイトをする際に最も関りの大きい薬機法から見ていきましょう。

 

1.薬機法とは

薬機法は医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器等の安全性と身体への有効性を確保するための法律です。
※平成26 年 11 月 25 日に「薬事法」から「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に名称変更

アフィリエイトで扱う商材には、大きく分けて化粧品と健康食品(サプリメントなど)・雑貨(健康器具など)があります。それぞれ、薬機法の規制が異なるため、違いを含めて理解しておくことが大切です。

化粧品は「薬機法を守らないと薬機法違反」になるし、健康食品・雑貨は「薬機法の世界に入り込む(=医薬品と誤解を与える)と薬機法違反」になってしまいます!

 

薬機法第2条でそれぞれの定義を定め、第3条以下でそれぞれの規制を取り決めています。
(薬機法より抜粋)

医薬品とは?
  1. 日本薬局方に収められている物
  2. 人や動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、
    機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品でないもの(医薬部外品を除く)
  3. 人や動物の身体の構造や機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、
    機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く)

 

医薬部外品とは?
  1. 次のイからハまでに揚げる目的のために使用される物であって機械器具等でないもの
    イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
    ロ あせも、ただれ等の防止
    ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
  2. ねずみ、はえ、蚊、のみなどの駆除に使われるもの(機械器具をのぞく)
  3. 厚生労働大臣が指定するもの

 

化粧品とは?

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの

 

医療機器とは?

人や動物の疾病の診断、治療や予防に使用されること、または人や動物の身体の構造や機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等

 

薬機法の条文の中でアフィリエイトで扱うサプリメントなどヘルスケアビジネスにふれているのは薬機法第2条だけ。 薬機法には医薬品の定義はあるものの、サプリメントの規定はありません!ただし薬機法にルールがすべて書いてあるわけではなく、厚労省が発令する「通知」で細かいルールが定められるので、その時々で判断する必要があります

 

薬機法と化粧品・健康食品の関係性

薬機法では、誇大広告が禁止されています!この 「何人」には、広告主だけでなく、アフィリエイターも含まれるため、アフィリエイターも薬機法を押さえておく必要があるのです!

 

薬機法>第十章医薬品等の広告(誇大広告等)

第六十六条
何人も 、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であると を 問わず、 虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。


医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。


何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

 

サプリメントなどの健康食品が身体の変化をうたう「効能」に触れるのは薬機法違反となってしまいます。だからといって、商品の特徴を淡々と述べるだけの記事では、扱う商品の魅力が伝わらず購入に繋がりませんよね。表現の線引きを知ることで、薬機法とのつかず離れずの距離が分かるようになります♪

 

【サプリメントAを売りたい場合】
NG:「疲労回復に、サプリメントA!」
NG:「疲れ知らず。サプリメントA!」
NG:「疲れとおさらばした貴方からのプレゼント。サプリメントA」
OK:「あなたをリフレッシュ、サプリメントA!」
OK:「疲れた現代を生き抜くため。サプリメントA!」

直接的に「疲れを回復する」と言い切るのは避け、 サプリメントを飲んだ後の「明るい未来」に触れる表現に留めましょう。

 

薬機法に違反した際のペナルティ

薬機法に違反した際のペナルティは「行政指導」と「刑事摘発」の2種類です。

1) 薬機法に違反していると多くの場合、行政指導を受ける(年数10万件ほど)

2)刑事事件に発展する場合がある(年50件ほど)

  • サプリメントで効能効果を謳うと薬機法上、無承認無許可医薬品と扱われる
  • 無承認無許可医薬品については、 販売すると「3年以下の懲役もしくは二百万円以下の罰金」、広告すると「2年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金」という罰則がある(薬機法24条、68条、84条、85条)。

3)JAROや雑誌広告審査会等民間の機関から指導を受けることもある(強制力はない)

4)2021年8月より、薬機法の虚偽誇大広告にも措置命令および課徴金も追加される

薬機法を遵守すべき対象は「何人も」となっており、ルール上の考え方として、アフィリエイターも措置命令の対象に含まれるため注意が必要です!

 

2021年8月より薬機法に追加される措置命令と課徴金について

■措置命令の対象行為
①虚偽・誇大広告等の禁止(薬機法第66 条第 1 項の規定に反する行為)
②承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68 条の規定に反する行為)

■措置命令の内容
①違反したことを 医薬関係者及び消費者に周知徹底すること
②再発防止策を講ずること
③その違反行為を将来繰り返さないこと 等

■課徴金の対象行為
①虚偽・誇大広告等の禁止(薬機法第66 条第 1 項の規定に反する行為)
※医薬品等適正広告基準に違反する行為も対象になり得る。
※健康食品は「虚偽・誇大広告等の禁止」で課徴の対象にする可能性あり。

■課徴金の算定額
課徴金の対象期間に取引をした課徴金対象行為にかかわる
医薬品等の対価の額の合計額
に、4.5 を乗じて得た額(法第 75 条の 5 の 2 第 1 項)。最長 3 年間。※アフィリエイターは商品を販売するわけではありませんが、
ルール上の考え方として、措置命令の対象に入ります。

 

アフィリエイターは、化粧品を扱う場合は薬機法を遵守しなければいけませんし、サプリなどの健康食品を扱う場合は医薬品という誤解を与えないような記事広告を作成する必要があります!

 

薬機法違反の判断基準とは?

サプリメントと謳っている表示で、以下の4つの判断ファクターに引っかかっているものは医薬品と誤解を招くため、薬機法違反になります。(46通知)

 

(1)成分
医薬品に使用されるような効果が激しい成分
を使用したサプリメントは薬機法違反になります

<使用NGな成分の事例>
医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト

名称 他名 部位等
アカネ センソウ<茜草>
アロエ キュラソー・アロエ
ケープアロエ
葉の液汁
ウド ドクカツ 根茎
オオグルマ ドモッコウ
カキ<柿> シテイ 果実の宿存がく(ヘタ)
キムラタケ ニクジュヨウ
オニク
ホンオニク
肉質茎
シコン ムラサキ
シベリアジカ ロクジョウ 雄の幼角
フキタンポポ カントウカ 花蕾
リンドウ リュウタン 根・根茎

 

医薬品には使用OKでも、効果が強いものや危ないものはサプリメントには使えません。しかし、使える成分・使えない成分は時代と共にどんどん変化するので気をつけましょう♪

 

<使用OKな成分の事例>
医薬品的な効能効果を示さなければ医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト

名称 他名 部位等
アガリクス アガリクス・ブラゼイ/ヒメマツタケ 子実体
アセロラ バルバドスサクラ 果実
オオバコ シャゼンシ
シャゼンソウ
シャゼンヨウ
全草
オレンジ オレンジピール 果実・果皮・蕾
カワラタケ サルノコシカケ 子実体
玄米胚芽 イネ 胚芽・胚芽油
血液 ウシ/シカ/ブタ ウシ・シカ・ブタの
血液・血漿
骨髄 ウシ ウシ骨髄
ゴマ油 ゴマ 種子・種子油・根
コラノキ コーラ 種子

 

 

(2)錠形
医薬品だと間違えられやすい形状
をしているサプリメントは薬機法違反になります

<禁止される形状>
アンプル、舌下錠、舌下に滴下するもの、スプレー管に充填して口腔内に噴霧するもの等

医薬品の典型的な形状である“カプセル”はOKです

 

(3)用法用量
医薬品のような飲み方の指定をしているものは薬機法違反ですが、 「目安」や「○○の悩みを持った人に人気」など曖昧な言い方はOKです

 

NG例

  • 飲む時の指定  例「食後に」
  • 飲む量の指定  例「1日3錠」
  • 飲み方の指定  例「舌下で溶かすとより効果的です」
  • 飲む対象の指定 例「更年期の女性に」

 

OK例

  • 1日3~5本を目安にお飲み下さい
  • 更年の女性に人気がありますor重宝されています

 

(4)効能効果
医薬品は体に変化を与えることを目的として作られています
サプリメントの場合、体の変化を表現すると「医薬品」とみなされ、薬機法違反となります

 

2.健康増進法とは

健康増進法とは、国民保健の向上を目的とした法律です(旧:栄養改善法)。アフィリエイターとしては、改正後に出たガイドラインをおさえておくことが重要です。

仕組みと全体図

健康増進法が2003年に改正され、それと共に厚労省が示したガイドラインが以前に比べ厳しい内容を含んでいたため実務に大きな影響を与えています

対象はサプリメント等食品だけなので、サプリメントには、薬機法だけでなく健康増進法も絡んできます

 

法改正とガイドライン

3つの条件を満たすと「違反」として指導されます。それでは、ガイドラインの条件について順番に説明していきます

[1]表現対象が健康保持増進効果であること
(健康保持増進効果:健康を保ったり、健康になるような効果があると謳うこと)
[2]表現形態が広告とみなされること
[3]表現内容が誤認を招く内容※であること

 

*「誤認を招く」

  • 医師の治療がなくてもガン、糖尿病、高脂血症、心臓病、肝炎が治ると言っている
  • 最上級の表現・・・最高、絶対、最高級、日本一、抜群、無類etc.
  • 科学的根拠のない学術データを引用している
  • 効果のデータが臨床データ(人のデータ)でない場合
    ※動物実験データと断っていればOK
  • 体験談のでっち上げや自社に都合の良い抜粋

 

改正健康増進法によるガイドラインでは、以下の3つが実務に重大な影響を与えてます。(1)付近ルール(2)あっせんルール(3)媒体責任

 

それでは、ガイドラインで定められたルールや責任について説明していきます。
薬機法の観点では違反と言いきれなくても、健康増進法のガイドラインに照らすと規制対象となるケースがあるので、それぞれの観点から具体例を比較していきます。

 

(1)付近ルール:
書籍、冊子、ホームページに特定の食品や成分に関する学術的な解説を掲載する場合でも、解説付近から 特定食品の販売ページにアクセスできたり、販売業者の連絡先が掲載されているため宣伝とみなされてNG

・商品名と効能が出ているが記事か広告か判断が微妙なケース

① 薬機法:違反とは言い切れない
記事であれば、特定の商品名を出して効能を述べたとしても薬機法違反にはならないが、広告※であれば違反となる。
※【広告のページ】と記載があったり会社の問い合わせ先があれば広告扱いになるので問題ない

 

② ガイドライン:
「付近ルール」に該当(「誤認を招く」に該当すれば違反)


(2)あっせんルール

“サプリメントの効能”しか述べておらず、具体的な商品名やメーカー名に触れられていなくても、問い合わせ先が書いてあり、連絡すれば商品名やメーカー名が分かるがある場合

・薬機法による規制領域よりも規制が拡大されたケース

フリーダイヤルに電話すると「あの体験談やデータはA社の水溶性アガリクス・アガリゴールドに関するものです。会社のTELは××××××です」とA社を紹介される。

①薬機法:違反とは言い切れない

② ガイドライン:
「あっせんルール」に該当(「誤認を招く」に該当すれば違反)

健康増進法ガイドラインが規定する「付近ルール」「あっせんルール」は、薬機法上のグレーゾーンを明確に違法としました。

 

(3)媒体責任:
メディアも誇大広告をしてはならない
(ただし、広告主が虚偽の資料を提出していた場合はメディアは責任を負わなくて良い)

 

違反した際のペナルティ

2003年に改正増進法が施行された後、厚労省は年間数百件近い行政指導を行っているとみられます。

①行政指導―従わない→
②厚労省の勧告―従わない→
③措置命令―従わない→
④刑罰=6ヶ月以下の懲役か100万円以下の罰金


引用:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について

 

3.景表法とは

仕組みと全体図

景品表示法(=景表法)とは、 消費者が良い商品・サービスを安心して選べる環境を守り、消費者を保護することを目的とした法律です。

景品表示法>第2 条第 2 項
①顧客を誘引するための手段として、
事業者が自己の供給する商品又は役務(サービス) の内容又は取引条件その他これらの取引に関する
事項について行う
広告その他の表示であって、消費者庁が指定するものをいう

景表法で禁止されていて、アフィリエイターが気をつけるべきことは2つです。

不当表示※の禁止
・実際の商品よりも著しく良いものだと誤認させる表示(優良誤認
⇒例:品質、規格、効果など
・実際よりも著しくお得だと誤認させる表示(有利誤認
⇒例:価格、取引条件、販売期間など
・その他の表示
⇒例:無果汁の清涼飲料水のルール、原産国、おとり広告など

過大な景品類の提供の禁止
・過大な景品につられて、本来は不要なものや品質等のよくないものを
購入してしまうことのないように景品の価格を制限している

 

※不当表示とは…
一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの。

(商品を売りたいあまり)虚偽や誇張して宣伝することなく、本当のことを広告しましょうという意味です。

 

記事は広告なの?

個人が記事を書くことは広告に該当するのか?気になりますよね。ここで、広告の定義を見直します。
広告の定義

1:顧客を誘引する意図が明確であること
2:特定の商品名が明らかにされていること
3:一般人が認知できる状態であること

平成10 年 9 月 29 日医薬監第 148 号都道府県衛生主管部 局 長あて
厚生省医薬安全局監視指導課長通知

※無承認医薬品の商品名等の表示については、名称の一部を伏せて表示する
場合であっても、顧客誘因性が認められ、商品に認知度、付随している写真や
説明書きから商品を特定できる場合は、広告に該当します。

(平成 14 年 8 月 28 日 医薬発第 0828014 号)

 

以上を踏まえると、下記のように判断できます。

・個人が勝手にアップするもの
⇒広告には該当しないため、薬機法や景品表示法の対象になりません。

・個人が「報酬目的」でアップするもの
⇒報酬目的で商品名が存在するものは「広告」です。
内容についてのルール遵守が求められます!
※記事と商品のページが分かれていてもリンクされていれば「広告」です。
(クッションページを挟めばOK!という意味ではありません)

「アフィリエイト」は、広告に該当します!

 

法改正

2003年の法改正(不実証広告規制)によって、大きく変わった点は3つ

法改正による変更点

①行政が業者に「不当表示(優良誤認・有利誤認)ではないこと」の立証を要求できる

②証明を要求されたら、15日以内に証拠を提出しなければならない
期間内に提出できなければ景表法違反となり行政指導をうける
悪質と判断されると措置命令※1が出たり、課徴金が課されることもある

体験談は合理的な根拠※2として認められない

アフィリエイトでは直接関係ありませんが、扱う商品がこういった違反をしていると、扱えなくなるので商品を選ぶ際は気をつけましょう。

 

※1措置命令:行政が事業者に対して景表法違反の行為を止め今後繰り返さないよう命じる処分。広告の中止と訂正広告の掲載等が命令される

※2合理的な根拠として認められるもの(下記のどれかをクリアすればOK)

  1. 第三者による試験・調査
  2. 一般的な試験方法に依拠した自社データ
  3. 一般的に認められている専門家の見解または学術文献

引用元:消費者庁「不実証広告規制

 

特商法の改正(特定商取引に関する法律)

景表法の法改正(不実証広告規制)に伴い、通販、訪販、テレマーケティング、ネットワークビジネス等の無店舗販売に関する規制を中心とした「特定商取引に関する法律(=特商法)も2004年に改正され、景表法の不実証広告規制と同様の制度を導入しました

 

 

特商法は2017年にも改正され、定期コースに関するWEBの記述、仕組に対する規制が強化されました!

 

措置命令の事例

ダイエットを中心として行政から合理的根拠の提出を求める事例が急増していて、措置命令になるケースは年50件ほどあります

措置命令の事例

1) ミーロード事件【2017.03.30】

消費者庁は30日、 「バストUPとスリムUPを同時にかなえる」というサプリメントの表示は根拠がないとして、東京の健康食品販売会社ミーロードに対し、景品表示法違反で再発防止などを求める措置命令を出した。
発表によると、同社は昨年、プエラリアという植物の成分を含むサプリメント「B-UP(ビーアップ)」について、ホームページ上で豊胸とダイエットに有効と表示していたが、根拠とした論文では、プエラリアが豊胸につながるとは示しておらず、ダイエット効果があるという成分についても、商品中の濃度が論文で有効とされた濃度より低かったとしている。
同社は2014年、この商品の発売を始めたが、消費者庁から指摘を受け、今年2月に販売を中止した。措置命令について「認識の相違はあるが、厳粛に受け止め表示を適正化する」と答えているという。

 

2) だいにち堂事件【2017.03.09】

消費者庁は9日、 粒状のサプリメントを飲むだけで目の「ボンヤリ・にごった感じ」の症状が改善するような広告をしたのは根拠がなく、景品表示法違反に当たるとして、長野県の健康食品販売会社「だいにち堂」に再発防止を求める措置命令を出した。
同社は「(違反に)当たらないと判断しており、法的に対処することを検討している」とのコメントを出した。
消費者庁によると、同社は2016年6月27~30日、販売する「アスタキサンチン アイ&アイ」に関し全国紙の新聞広告で1日1粒を目安に飲むだけで目の症状が改善するような宣伝をしたという。
※本件はその後、だいにち堂が処分の取消を求める訴訟を提起している。

 

3) 水素水事件【2017.03.04】

消費者庁は3日、「水素水でダイエット」などと、 自社のウェブサイトで根拠のない広告で商品を売っていた東京の通信販売会社の株式会社マハロ、千代田薬品工業株式会社と、大阪の株式会社メロディアンハーモニーファイン3社に対し、景品表示法違反に当たるとして、再発防止を求める措置命令を出した。水素関連商品への同法違反に基づく命令は初めてとのこと。
消費者庁によると、株式会社マハロと千代田薬品工業株式会社が、対象商品を摂取して、運動や食事制限をすることなく、著しい痩身効果が得られるかのように、株式会社メロディアンハーモニーが対象製品の摂取で炎症を抑制し、肩こりや筋肉痛を軽減、ニキビ、吹き出もの、かぶれを解消する効果が得られるかのように、それぞれのWEBサイトで表示していた。3社に対して表示の裏付けとなる資料の提出を求めたところ、メロディアンハーモニーと千代田薬品工業から資料が提出されたが、合理的な根拠を示すものとは認められなかったという。

 

アフィリエイトの諸問題

アフィリエイターとして押さえておくべき法律や注意点など押さえておきましょう。

①健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について

この留意事項によると、アフィリエイターが虚偽誇大広告をした場合、商品を扱う広告主が景表法と健康増進法上の措置命令を受けるべき対象になってしまいます。
(たとえ自社が知らないところで勝手に宣伝されたとしても…!)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

知らないところで広告されて違反されていた場合のリスクが大きいので、アフィリエイトを躊躇する企業も増えてきています。だからこそ、ルールを心得たアフィリエイターは企業から選ばれやすくなります!
 

②「アフィリエイト広告等に関する検討会」(現在進行中!)

①のとおり、景表法では、いわゆる「広告主」が不当表示をした場合に措置がされます。
ただし、アフィリエイト広告では、広告主ではないアフィリエイターが広告宣伝をします。

  • 広告主による管理が難しい
  • アフィリエイターが報酬を目当てに虚偽・誇大な広告を作成するインセンティブが働きやすい可能性がある
  • 消費者は、アフィリエイト広告の区別が難しい

という特性があります。

①景表法の責任を負うべき「表示主体者」の定義の整理 
(現状はアフィリエイターが含まれていないけど、含まれるかも!)
②広告健全化の方策

が話し合われていて、令和3年中を目途に方針が発表されそうです。

 

アフィリエイターを取り巻く環境は厳しくなりそうです。逆に言えば、ルールを心得たアフィリエイターは企業から重宝されることになります!

第一章のまとめ

それでは、第一章で学んだことをまとめます。アフィリエイトする際に気を付けるべきポイントはこちら。

  • アフィリエイターが気をつけるべき3つの法律は「薬機法」「健康増進法」「景表法」
  • 薬機法に違反した際のペナルティは「行政指導」「刑事摘発」がある
  • ルール上はアフィリエイターも措置命令(行政処分)の対象
  • 薬機法は医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の品質や有効性、安全性を確保することを目的としている
  • 健康食品や健康器具と医薬品や医療機器では、できる表現が異なり、表現の線引きとなるのが「薬機法」である
  • 化粧品は、薬機法を遵守しなければいけない
  • サプリメントなどの健康食品が身体の変化をうたう「効能」に触れるのは薬機法違反
  • サプリメントと謳っている表示で、「成分」「錠形」「用法用量」「効能効果」に引っかかるものは医薬品と誤解を招くため、薬機法違反
  • 薬機法の観点では違反と言いきれなくても、健康増進法のガイドラインに照らすと規制対象となるケースがある
アフィリエイトする際、サプリメントを医薬品であるかのように表現すると、薬機法違反になってしまいます。自分の記事はもちろん、広告主の案件LPでもサプリメントを医薬品のように表現していないか、チェックが必要です。トラブルが起きないためにも、間違えやすいサプリと薬品の表現の違いをマスターしましょう♪